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なぜ手洗いが大切なの?手洗いで感染予防できるさまざまな病気

2016.01.27

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手にはウイルスや細菌がたくさん付着しているため、感染症を防ぐためには手洗いが欠かせません。手洗いをすることで感染を防げる病気について、ドクター監修のもと詳しくご紹介します。

監修:マオクリニック 院長  岡田昌子先生

感染症とは、「大気、水、土壌、動物、人」などに存在する病原性の微生物が人の体内に侵入することで引き起こされる疾患です。日常生活における主な感染経路には「飛沫」「接触」「空気」の3つがありますが、中でももっとも多いのが、手を介した接触感染です。そのため、手洗いは感染症予防の基本とされています。では、手洗いによって予防できる感染症にはどのようなものがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

手洗いで感染が予防できる病気(1):かぜ症候群

かぜ症候群とは、上気道(鼻、咽頭、喉頭)と下気道(気管・気管支・肺)に急性炎症をきたす病気の総称です。主に「呼吸器感染症」「夏風邪」に分けられ、それぞれに感染症の種類もさまざまです。

呼吸器感染症

主な感染症には、インフルエンザ、RSウイルス感染症、A群溶血性連鎖球菌咽頭炎(溶連菌感染症)があります。すべて冬場に流行しやすく、インフルエンザとA群溶血性連鎖球菌咽頭炎においては3~5月まで流行が続くこともあります。

主な感染経路は、飛沫と接触感染です。乳幼児の代表的な呼吸器疾患であり、小さい子どもほど重症化しやすいRSウイルス感染症においては、唾液や鼻水が付着したおもちゃや、これらに触れた手指から感染することも多いので、流行する時期には手洗いはもちろん、おもちゃや物の消毒もこまめに行うといいでしょう。

夏風邪

主な感染症には、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、ヘルパンギーナ、手足口病があります。夏風邪という言葉どおり夏場に流行しやすく、5~6月頃から増加し始め7~8月にピークを迎えることがほとんどです。ただし、手足口病に関しては、秋から冬にかけても多少の発生がみられることがあります。

主な感染経路は、呼吸器感染症と同じく飛沫と接触感染です。咽頭結膜熱はプールの水を介して感染することも多いことから「プール熱」とも呼ばれています。特に、塩素濃度の管理が不十分なプールに入ると感染しやすいといわれているので、プールに入った後は、手はもちろん、目もしっかり洗うようにしましょう。

流行性角結膜炎は、ウイルスに感染した目を触った手で触れた物やタオルから感染するケースが多いので、患者がいる家では特に手洗いを徹底し、タオルなどの共用は避けるようにしましょう。また、ヘルパンギーナは、症状が落ち着いてくると便からもウイルスが排出されるため、おむつ交換後の手洗いや消毒が不十分であると、汚染された手指から感染が拡大することがあります。症状がなくなっても安心せず、徹底した手洗いで感染を防ぎましょう。手足口病も、同じく便や水疱内容物に含まれるウイルスが付着することで感染するので、やはり手洗いによる感染予防が重要です。

手洗いで感染が予防できる病気(2):感染性胃腸炎

ウイルスや細菌の感染が原因になって吐き気や嘔吐、下痢・腹痛などの急性の胃腸炎症状を引き起こす病気を「感染性胃腸炎」と言います。ウイルス感染によって起こるものを「ウイルス性胃腸炎」、細菌感染が原因で起こるものを「細菌性胃腸炎」と呼びます。

ウイルス性胃腸炎

主に、ノロウイルス感染症とロタウイルス感染症に分けられます。11月頃から発生件数が増加していき、12~4月にピークを迎えることが多いです。主な感染経路は、手洗い・消毒が不十分な手指や、汚染された場所に触れた手指からの接触感染です。ノロウイルス感染症の場合は、患者の便や吐瀉物を処理した後の手洗い・消毒が不十分な手指から感染することも多いです。

また、ノロウイルスは食中毒経路でも感染します。牡蠣などの二枚貝を生や加熱が不十分なままで食べたり、汚染された調理器具や手指を介して二次汚染された食品を食べることで感染します。調理器具や手指を介した二次汚染は手洗いで防げるものなので、こちらに関しても手洗いが予防の基本となります。

細菌性胃腸炎

主に、腸管出血性大腸菌感染症、サルモネラ感染症、カンピロバクター感染症に分けられます。腸管出血性大腸菌感染症とサルモネラ感染症は、例年7~9月の夏場に発生が多くなる傾向にあります。カンピロバクター感染症においては、例年5~7月と10月前後に流行しやすいです。

主な感染経路には、すべてにおいて食中毒経路と感染症経路があります。腸管出血性大腸菌感染症は、食中毒経路であれば、生や加熱不十分な牛肉を食べたり、調理過程で二次汚染された食品を食べることで感染します。感染症経路であれば、患者の便や吐瀉物を処理したあとの手洗い・消毒が不十分な手指や、汚染された場所に触れた手指を介しての接触感染、入浴やプールなどの水を介した感染がほとんどです。

サルモネラ感染症は、食中毒経路であれば、鶏卵や食肉、養殖魚(スッポン、ウナギ)を生や加熱が不十分な状態で食べたり、調理過程で二次汚染された食品を食べることで感染します。感染症経路であれば接触感染がほとんどですが、腸内に菌を持っているペットと触れ合うことでも感染することがあります。

カンピロバクター感染症は、食中毒経路であれば、鶏肉や牛レバーを生や加熱が不十分な状態で食べたり、調理過程で二次汚染された食品を食べることで感染します。感染症経路は、サルモネラ感染症とほとんど同じです。

こちらの感染経路を見ても、やはり多くの場合に手洗いの徹底で防げることがわかります。

その他、発症すると死にいたることも多いエボラ出血熱も、手洗いにより感染が予防できる病気のひとつです。このように、手洗いにより防げる病気は意外に多く、種類もさまざまです。たかが手洗いとバカにせず、万病予防の基本と認識し、意識的に行いましょう。

記事転載元:ヘルスケア大学 なぜ手洗いが大切なの?手洗いで感染予防できるさまざまな病気


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